ペイミー社の謎
給与前払い、言い換えると被雇用者の給与ファクタリング事業を運営するペイミー社が、セールステック×生成AI領域に新規参入するとのこと。
代表の方が書かれたnoteを拝見したが、マーケットインとサービス発想とが結構ぐちゃぐちゃな印象。
サービスページは下記。
トランザクションビジネスである給与前払いの既存事業と、サービス型+プロダクト型の今回の新規事業のキャッシュモデルも違い、顧客DBもおそらくあまりシナジーが無さそうな中、このタイミングでいろいろとあったペイミー社がこの領域に参入することをよくVCが評価したなと。VCが囁いた部分もあるのかもしれないしそれのほうが可能性があるように思われる。
正直、セールスオタク、セールステックオタクが複数人で立ち上げたスタートアップや中小企業から提供されているサービスやプロダクトを導入するほうが、課題意識を持っている推進力のある企業からは求められ、購買されるように思う。
ラクスル社のように、ビジネスモデルが似たサービス、キャッシュフローモデルが似たサービスをバンバン立ち上げたり譲り受けたりするのは、コングロマリット的に考えても合理的だと捉えているが、顧客シナジーもビジネスシナジーも薄いと考えられる中で新規で立ち上げるのはどう発展していくのか、私にはよくわからなかった。
もし考察がある方、この新規事業の目的や展開について教えてほしい。
私の個人的な推察としては、給与前払いの既存事業を数年以内に譲渡することを前提として、シード的な仕込みとして資金調達している、と考えた。既存事業は立て直し中とのことでnote記事にも記載があるが、それで事業として市場で勝ち切るということを諦め、譲渡してある程度は価格が付くように仕上げている最中なのかもしれない。代わりに、事業ポートフォリオを入れ替え、急成長市場であるセールステック(およびそれに生成系AIを掛け合わせた)領域に切り替えていっているのではないか。
ただの推察だが。
ちなみに、セールステック領域は全世界的に伸びるのは確実だと捉えている。最初に人件費の高い地域(アメリカなど)、次に人件費とソフトウェア費用とが転換点を迎えている地域(日本など)、次に人的リソースが圧倒的に足りないスタートアップが順番にセールステックのサービスやプロダクトを導入していく流れのはずだが(日本とスタートアップは順番が入れ替わっている印象もある)、いずれにせよまだまだ開拓余地がある日本での市場成長性は確実にある領域。市場の成長に引っ張られるかたちでのペイミー社の事業成長はあるだろう。