誠実の輪を広げたい
自社の正社員かそうでないかすごく隔てる会社って、いざというときにクリティカルだけど納得感のあるコミュニケーションが取れない。
自社の正社員のするほうが、契約交渉を頻繁にしなければいけないほどにフリーランスと比べるとコミュニケーションコストは下がることはあるけど、それはコミュニケーション能力を上げることにはほとんど寄与していない、もしくは現状維持か下がっている可能性もあるので、自社の正社員にも説明ができない。
私がいたスタートアップも関与させていただいたスタートアップも、額面給与とストックオプションとを組み合わせることに頭を使うべきというのが私のスタンスですが、ブラックボックス的説明しかせずに正社員雇用して、ストックオプションは後出しジャンケン的に付与しないと決める会社も想像以上に会ってきたし見聞きもするけど、そういう不誠実な企業は、対外発信はキレイゴトで中のことを正確に把握していない、もしくは把握することを諦めている経営者が発信していることがほとんどで、まじでカオス。
いずれ、定常的な組織変容ができないので、組織崩壊するか、課題意識を持った人が組織「変格活用」という名の、これまたコミュニケーションコストが高い手法に頼り続ける。そしてその文化が継承される。でまた「変革」。
経営者が気付けなかったり能力がないなら、求職者が勉強してリテラシーを高めないと、不誠実が広がって継承される負の連鎖が続く。
日本でも、スタートアップで上場して株式やストックオプションを持っている人が売却益で次のスタートアップを創ったり投資したりという、俗に言う「スタートアップエコシステム」は盛り上がってきてる。投資額も年々増えてる。人も知見も輪が広がっている。だからこそ同時に、誠実の輪も広がってほしい。
ワタシのいた会社でも、「やりがい搾取」に始まり「やりがい搾取」で終わり、後出しジャンケンばっかりする会社もあったけど、それを選んだのは私の責任。一定期間選び続けて経営者に勘違いさせたのも私の責任。
その責任感は、経営者も(ピッチに騙されることもある)投資家も求職者・従業員も持って高めて、誠実でポジティブなインパクトの範囲を最大化したい。当然、目に見える指標としての投資額とか時価総額とか利益金額とかは損ねてはいけない。トレードオフではなくいいとこ取りで推し進める。
私がスタートアップをやるかどうかは別として、どんな形態であっても、何を手掛けるにしても、ポジティブなインパクトを最大化する誠実なアプローチを自ら仕掛けていく。
騙し騙されるのが悪いとは限らない。そんなにウブでもない。騙すのが都合が良い人と、騙されるのが都合が良い人と、その間での需要と供給がマッチしてたくさんの雇用が発生したり維持されている。ただ、ふとメタ認知して心が傾くのがどの方向なのかには意識的になってもいいと思っているし、言い出しっぺの人は自分から働きかけていってもいいと思っている。